2012/01/03

子供の物理学~その5『虹を創ろう』~

今回は『太陽光のプリズムとスペクトル(Prisme et Spectre Solaire)』のカードです。1904 年当時にはブラインドがあったようですね。太陽光が部分的に差し込むように、下ろしたブラインドの一部に細工をします。さらに、太陽光を制限的に使えるように、二ヶ所に穴を空けた板を使います。穴から差し込む太陽光を、ひとつはそのままテーブルの黒い紙に落とし、もうひとつはピカピカの硝子コップで反射させて、その反射光をそのまま落ちている太陽光の上に重ね合わせます。黒い紙とコップの間に虹が現れました!


理科少年がいつもより慎重な面持ちで実験に臨んでいます。薄暗くした部屋に小さな虹が現れるのは、天体の神秘に相応しいシチュエーションですね。女の子は宝石を見るようなうっとりとした眼差し、男の子たちは科学への興味が益々増した様子。右側の女の子はアン・シャーリーの憧れのようなワンピースを着ています。膨らんだ袖、フリル・カラー、ベルト代わりのたっぷりした赤い布は光沢がありそう。お人形もほぼ同じファッションです。この頃は、女の子とお人形を組み合わせたポストカードやトレード・カードが山ほど作成されています。玩具が少ない時代ですから、中流家庭ではテディベアとお人形が中心の遊びだったのかも知れません。