主に、主人公のミカエルとリスベットだけで保たれている作品だとは言え、『ディーバ』と重なるような魅力があります。ピカレスク・ロマンに通じるリスベットの存在があるからでしょう。リスベットというキャラクターに出会うだけでも、この小説を読み切る価値はあると思います。また、否応なく社会の矛盾に倒される弱者への鎮魂歌であること、その弱者のひとりであるリスベットによる痛快なまでの冷めた反撃は、読者の琴線に充分触れるテーマとモチーフだと思いました。小説の締めくくりはリスベットに新たな現実を突き付けますが、次の作品ではどうなって行くのでしょうか。
ところで、スウェーデン語版の表紙はまるで『ツインピークス』...。
では、『ミレニアム2』を買いに出かけます。ついでに、懐かしいスウェーデン語を聞きたくて、数年前に制作されたスウェーデン版の DVD『Män Som Hatar Kvinnor』を予約しました。スウェーデンのサイトでは評判は上々なので、すごく愉しみ → 結局、夢中...。