上品に設えた野外舞台におどけたダンスをしているポリシネルがいます。何度かご紹介しているように、ポリシネルはイタリアの古典喜劇のキャラクター、プルチネッラのことで道化です。先日の操り人形のポリシネルとは対照的な道化ぶり!
舞台には何故か猫が一匹いて、冷ややかにポリシネルを見つめています。右側のスタンドのぶら下がった輪は何なのでしょうか?もしかすると、古典劇のレパートリーのエピソードに関係があるのかも知れませんが、意味は分かりません。またもや、宿題...(笑)。これは鎖らしいのですが、とても細かい輪が繋がっているんですよ、写真では確認し難いかも知れません。
観客は子どもたちばかりで、思わず笑みが溢れている子がいれば、冷ややかに見つめている子、大笑いしている子もいますね。大笑いしているのが分かるように、カードを見ている私たちに顔を向けています。これは着目すべき点です。
左側には細い樹とベンチがあり、ポリシネルは野外舞台で演じていることが分かります。そして舞台の手前には観客がいて、その外側にはカードを見つめる私たちがいて...という、入れ子のような構造が出来上がっているんです。核に当たる部分は舞台ですから、小さな宇宙の中心でポリシネルがおどけているわけです。
それにしても、古びた真鍮のような金彩の飾りが付いた薄緑の舞台、金色の房のある珊瑚色のカーテン(天鵞絨かな?)は素敵!子どもたちのいる空間の外枠も植物文様で飾られているので、入れ子の構造がよりはっきりするかのようです。
ポリシネルは道化らしい衣装で、色違いの帽子が歌詞を記した紙の下を抑えるようにおいてあります。ラッパは小道具でしょうが、童謡をテーマにしているのでシンボルのような印象を受けますね。
このイラストで感心したのが、ポリシネルの影です。煙のごとく消えそうですし、ポリシネルに合わせないで、勝手な動きをしそう。
歌詞を訳してみました(私のフランス語力は低いので参考程度に...)。「あれは誰?/ポリシネルだよ、お嬢さん/あれは誰?/ここにいるのはポリシネル/へんちくりんな格好で/怖がらせているけど/あなたに自作の歌を/聴かせたいんだってさ」
調べてみたら、三番までありました。まあ、たわいも無い歌詞なんですが...(笑)。