2011/05/18

憧れ

岩波現代文庫の『一葉語録』は言葉の一語一語を堪能できる素晴らしい一冊です。写真の一葉はお世辞にも若く見えません。文章も二十四歳で散ったとは思えない成熟があります。その巧みな文章は技巧が前面に出るのではなく、流れるようでいて味わい深いので、つい数行前に戻りまた進みまた戻り...と、なかなか読み進められないのです。何だか、立ち去るのが惜しいときの気持ちに似ています。