昨日、『イヴ・サンローラン』というドキュメンタリー映画を観ました。故人の偉業や天才アーチストにありがちな孤独な人生を追った映画を期待する方は失望するかも知れません。これはサンローランの元恋人で、最後までアトリエを支えたビジネス・パートナーのピエール・ベルジェ氏から見たサンローランであり、氏の人生の総決算です。
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サンローランは見た目通りの繊細な神経の持ち主で、継続的な創造へのプレッシャーからアルコールやドラッグで破滅寸前にまで自らを追い込みました。ベルジェ氏はパートナーとして公私をともにするのはさぞ大変だったろうと思います。プライベートな関係は20年近く続いて終止符が打たれますが、近所に住むなどして、結局はプライベートを変わらず支えていたようです。
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映画の中枢となるのはサンローランとベルジェ氏の名を冠にした派手な競売です。AIDS 研究の資金集めという名目ですが、サンローランとともに20年かけて集めた美術品を競売にかけたのは、ベルジェ氏が80歳を目前にし、自分の手でサンローランとの人生を終わらせたいと思ったからかも知れません。たとえサンローランの死後のベルジェ氏の諸活動に清濁が混じっていたとしても、影の立役者が最期に自らスポットライトの真下に来たとしても非難めくこともないでしょう。二人の関係は二人にしか分からないし、サンローランの偉業はやはりベルジェ氏なしにはあり得なかったでしょうから。