2010/12/31

さよなら、2010

今年は心の中が落ち着かず、集中力に欠けた一年でした。来年からは俳句と短歌の実作を再開し、大好きな王朝文学に耽りつつ、古い硝子や絵を前に空想に身を浮かしながら、毎日数分でも良いから豊かなひとときを持ちたいです。

月と森。こんな風景を独りで見て暮らせるような場所を探したいです。

価値

ヴィンテージやアンティークがネットで販売されるようになって、コレクターの多いアイテムが何か、この業界(?)においてもブームがあることや、自分が好きなアイテムの適正な価格帯も分かるようになってきました。

ファイヤーキングのように比較的新しくて数が出回っているものは、しばらくすると価格帯が揃ってくるようです。けれども、そこそこ出回っていても、百年近くあるいはそれ以上のものはバラツキが出てきます。同じ絵柄で使用済みのポストカードに五千円以上の差があるのには驚きました。拡大表示で見る限り、コンディションもほぼ同じ...。実店舗+ネット販売かネット販売のみか、仕入先や仕入れ方(現地に出向いての直接買い付けする場合、出向かずに輸入する場合)で差が出て来るのかも知れませんが、それにしても...。

販売する前にきちんとメンテナンスしているお店、コンディションや年代の基本情報だけではなく、背景情報を出すことでアイテムの理解と価値を教えてくれるお店は信用できますし、お店の方の目も信用できるような気がします。

好き!だけでは購入できません。残念ですが、いい加減なことを平気で言うお店もありますから(-_-;)。購入する側も勉強と調査が必要な面倒な買い物です(笑)。

昔々

昨日は本を二冊購入。

古典は『今昔物語』の文庫版を探したのですが、四件の大型書店はいずれも在庫がなく、びっくり...。まあ、書籍離れが進むなか、更に売れそうもない古典を取り揃える必要はないですね(笑)。

古典入門の前哨戦として、『大鏡』の全現代語訳を入手(笑)。平安の世を知るには良い一冊のようです。

『たけくらべ』って朗読 CD があれば聴いてみたいもののひとつ。一葉の文体は憧れ。

2010/12/26

愉しい目標

12月ってほんとに走り去って行くものですね。どういうわけか、今年はクリスマス用の出来合いのチキンに目が離せなくなり、別々のお店のものを三日連続で頂きました。中華のタレのチキンに軍配かな。でも、さすがに連日だと胃が疲れました。またもや、何ヵ月も食べなくなりそう(笑)。

再びマイブームになりそうなCD♪

来年は古典の勉強をしようと思っています。講座をとるより、その時間とお金は本に費やした方がたくさん学べるので独学の予定。年末は大好きな『更級日記』を丁寧に読んでみるつもり。そして、来年は『源氏物語』のひとり読書会(笑)。原文は最初の方と各段のハイライトを原文で読んだだけ。こりゃ、一年では済まなさそう。以外と長期プロジェクトになりそうだなあ....

2010/12/25

バーレスク(鑑賞後)

クリスマスとともに寒気到来。ネコちゃんは布団の中で寒さに攻防中(笑)。

さて、『バーレスク』を観てきました。あまりの底の浅さに唖然...。ディータ様が出なくて良い映画でした(笑)。バーレスクの舞台がかくも健康的であることが、まず間違っていないでしょうか?ストリップ小屋のようなじめじめ感は不要にしても、善意に溢れかえった登場人物たち、強烈なライバル意識に欠けるダンサーたちは夜の世界をまるで模範的な高校球児の世界に変容させてしまいました 。クリスティーナ・アギレラ演じるアリの二度の機転はあまりに使いふるされたネタでゲンナリ。彼女は痩せていて、バーレスク・ダンサーに必要な肉感的な魅力が不足しています。ケイト・ハドソンだったらピッタリだったと思います。

アギレラの「頑張り」は全編を通して伝わってきますが、演技とダンスが今ひとつ。頑張りが見える時点で、すでに素人チックなのかも知れません。ただし、本業の歌はさすがに迫力があり、聞き惚れてしまいました。彼女は歌に邁進すべき人で、ベット・ミドラーやバーブラ・ストライザンド路線に行かなくてもいいんじゃないかと思います。あのシェールの歌が霞むほどなのですから...。

結論。観なくていい映画です。

やはり、銀座で『スプリング・フィーバー』か神保町で『クレアモントホテル』を観るべきでした(-_-;) どうもハリウッドな映画が苦手です。

バーレスク(鑑賞前)

クリスマスはいかがお過ごしでしょうか?今日はのんびりと映画でもと思いましたが、映画館は凄く盛況な様子。ラッキーなことにいつも座る席が空いていたので、『バーレスク』を観ることにしました。

子供のころ、シェールの『ジプシー』という唄を聴いて、しばらく男の人だと思い込んでたっけ。ま、男性的な顔をしてますが...(笑)。日本人向きのエンターテイナーではないけど、アメリカでは何かと話題になる人です。私はディータに演じてほしかったのですが。さて、どうなることやら。感想は夜にアップしますね♪

2010/12/22

門の内側

昨日は帰宅途中で雨が降り出し、寒くなるのかと思ったら、今日は18度になるのだとか...。一転して晴れ上がった今朝はどこもかしこも輝いてますねぇ。

久々にコミック版の『陰陽師』を手にとりました。夜があの世とこの世を結ぶ時空だという雰囲気がよく伝わってきます。何故、陰陽師かと言うと、『更級日記』を読みながらうとうとしていたら足の裏が冷たくなっていました。舗装されていない大通りに裸足で佇んでいるんですよ、もちろん私が...。で、目の前に羅生門があったんです!(笑) 羅生門なんて知らないけど、夢の中では羅生門だって確信がありました。やはり夢は根拠のない確信やリアルが溢れかえっています(爆)。そんなわけで、目が覚めた途端、そうだ!『陰陽師』を読もう、などと思い至ったわけです(第一話は、羅生門をめぐるエピソード)。

羅生門は羅城門で大門のことです。一体どういう都に迷い混んでいたのか...。あまりに寒くて直ぐに目が覚めたけど、辺りをさ迷ってみたかっです。初夢に期待。

2010/12/13

Bye bye 爪切り

爪の手入れに疎い私は先月まで爪切り派でした。ところが、出血する怪我をしてから(かなり不器用です)、思い切ってファイルに変えてみました。

私が購入したのは水玉の部分が鈴蘭のモチーフ

使い捨てと金属製ならエコ的に金属製だろう!と見て回りましたが、(生意気だけど)審美眼にかなうものはなく... (-_-;)。 何となく、近所のお店に立ち寄ったらチェコ製のガラスのファイルが♪なかなか良い選択だと鼻高々でしたが、巷では当たり前のように使われているらしく、友人は数年以上前から使っているそうです(笑)。

ラウンドカットが綺麗に出来上がりますし、爪の両隅の尖りを滑らかに処理できるのも嬉しい!もう爪切りは使わないと思います。ガラス好きの私にとって、素材がガラスというだけでポイントが上がり、さらに鈴蘭のエッチングを施しているなんて買わない理由は見当たりません!

でも、最大の難関はやっぱり甘皮の処理。とてもじゃないけど自分ではできません...。そろそろネイル屋さんに行かなくては。そして、冬の手に最終兵器を。ニュートロジーナのノルウェー・フォーミュラは効果が一日続きます。お勧めです♪

2010/12/12

妖精

昨日はネコちゃんを寝かしつけた後、実家へ移動。さきほど帰宅してみなとみらいへ夕飯を食べに来ています。先週はボーナス支給の企業が多かったのでしょうか。今週は先週ほどの人出ではないような気がします。

創作モードを高めたく、こんな本を買ってみました。短篇の変身譚を集めたアンソロジーで、帯には『鳥になれ、風になれ』というキャッチ・コピーが印刷されています。なかなかいいと思いませんか?八割は読んだことがある短篇ですけど、一篇読むごとに、心の中の小壜が満たされて行くようで愉しいひと時が得られます。荒俣宏訳の『妖精族のむすめ』(ダンセイニ)が収録されていました。ダンセイニの素晴らしさを知ったのは荒俣さんと井村君枝さんの随筆がきっかけ。そう言えば、カイ・ニールセンの挿絵が入ったアンデルセンの本も荒俣さんの訳。読んでみようかな。

高校生のころに衝撃を受けたリチャード・ダッドの『伽の樵の入神の一撃』

そうそう、申し遅れましたが、幻想好きな私ですから、もちろん、妖精好きです。

2010/12/11

フラッパー・ガール

横浜都市発展記念館で開催されている『特別展 モダン横濱案内』に行って来ました。こじんまりした横浜ユーラシア文化館の上にあるので、同じようにこじんまり。

ルイズ・ブルックス

ダンスホール、外国人、まるで谷崎潤一郎の『痴人の愛』!食い入るように眺めてきました(笑)。『痴人の愛』は何度か映画化されていて、私は 1960 年に大映が製作した船越英二と叶順子主演の作品にはまっていました。大学生のころ、昭和30~40年初めの大映映画はほとんど見たかも...要するに暇だったのね(-_-;)

永遠の憧れ、船越英二♪

さて、展示に戻ると、フォードやドイツの冷蔵庫メーカー、ボッシユの珍しいカタログや当時幅をきかせていた百貨店の広告が、今と同じぐらい充実していたことに意表を付かれました。また、関東大震災で横浜市内の家屋の95%が倒壊した事実にも驚きますが、復興の速さにはもっと驚きました。現代の日本とは違い、生きることに貪欲だった庶民の逞しさを感じます。

そんな復興後の10年あまりがモガの活動期なのですが、着物と洋服が調和した素敵なアールデコの時代だったことがよく分かりました。しかし、ダンスホールの踊り子(ダンスの相手をする仕事)に着物組と洋服組がいたことは知りませんでしたよ~。盛り場の写真にナオミを探してみましたが、さすがにいませんでしたねぇ...。She had it !

2010/12/10

シガレット・ケース

雲ひとつなく、一点の濁りもない青空です。いかにも冬空ですが、ちっとも寒くないんですよね...。

1800年代末期の素敵なシガレット・ケースを見つけました。まだ、購入には至ってないのですが、銀めっきで内側はギルト・シルバーといって金色のめっき加工したものです。こちらは曇りや変色がかなりあるので磨き甲斐あり(笑)。しかし、スモーカーではないので、何を入れるか思案中。名刺は入るのかなあ?

中学生のころ、父から木製の葉巻の箱を貰ったことがあります。こちらは携帯用ではなくどっしりしていて、枠には幾何学模様が彫られていたのですが、蓋には何もなかったような???蓋を開けると葉巻の温かな匂いがしていたような記憶があります。けれども、記憶が曖昧なのは訳があるのです。実は、この葉巻箱、貰って何日も経たないうちに、急になくなったのです。家族みんなで探したのに...。他になくなったものがなく、泥棒の犯行ではなさそうでした。あまりにどろんと消えたので、兄はその葉巻箱をアラン・ドロンと命名しました。消えてから命名するとは、まるで戒名みたい...。みんな苦々しい思いで聞いていました...(-_-;)

2010/12/05

微妙に仕事の本

ファブレスは仕事の参考になるけど、民間軍事は全然違うなあ(笑)。でも、読んでおこう。

先週の月曜日は東洋経済、ダイヤモンド、エコノミストを一気読み。お腹いっぱい(笑)。

初めての舞踏会

『Magasin des Demoiselles』の典型的なファッション画

フレームに入れた Magasin des Demoiselles(令嬢の雑誌、今風に言うと、お嬢様の雑誌)の挿絵を購入。この雑誌は、1800年代半ばに発行されていたフランスの月刊のファッション誌です。当時は写真ではなく、白黒のエッチングに手で色を施しているので、「手がかかっている~」という感じ。全体に彩色している場合もありますが、人物のみを彩色している場合などいろいろ。失敗が許されない作業ですから、その点も価値の高さを感じてしまいます。

アンティークSHOW で見つけた宝物、左下は真鍮のデコラティブな鏡

貴婦人系のファッション・イラストが多い中、少しユーモラスなテイストのある舞踏会のイラストに出会いました。地味な彩色と額縁も気に入りました。

イラストの可愛らしさは勿論、ほかにも素晴らしいことがたくさんあったのです。額縁は15年ぐらい前にアンティーク屋さんが購入した現代のものですが、額の裏は草色の紙ですごく丁寧に処理されているし、絵を引き立たせる金色の縁取りを施すなど、飛びつかない理由が見当たらなかったんです(笑)。

額縁の中に額縁があるみたい

実は、母が癌にかかり、気分が暗くなっています。親戚にほとんど接点がなく、病弱な兄とネコちゃんと二人と一匹になる日が近づいて来たのだなあと、若干虚ろ。それでも希望が持てるのは、俳句・短歌・小説・音楽・絵画・映画・能・古きものへの偏愛が私を救ってくれているからだと思います。そして、私と神様の関係は言わずもがな。