スウェーデンはイェーテボリの遊園地のひとこま。私もこの回転ブランコに乗ったことがある。当時のボーイフレンドの姪が4歳で、アジア人の私を珍しがったうえ、気に入ってくれた。おかげで、回転ブランコを始めとした恐怖の遊具を次から次へと試すことになったのだ。ローラーコースター、コーヒーカップ、ゴーカート、観覧車、回転木馬...。しかして、遊園地を去る頃には、すっかり頭はくらくら、足はがくがく。要するに、くたくた(笑)。
遊園地の喧騒に憂いを感じるのは、自 分や身近な人の子供時代の残像を見てしまうからだろう。笑顔の残像が喪失感を招くのか、見知らぬ家族とすれ違っては彼らの生生流転を思い、悲しくなっている。
彼女は来年で大学卒業の年齢に達するはずだ。まさか、極東の片隅に自分を思い出す人間がいるなんて、夢にも思っていないだろう。