2011/01/24

心の底に棲むふたり

先日、道化師の家族のポストカードを見つけたときに思い出したことがありました。子どもの頃、一時期、ピエロ(クラウンではなくピエロ)とアルルカンに夢中だったんです。アルルカンの小さな操り人形を持っていました。ひとり暮らしを始めた大学進学のときは机の上にあったはず。その後、どうなったのか...。

ピエロとアルルカンについては、コメディ・デッラルテ、ストック・キャラクターをキーワードで検索すると、詳しい説明が出てきますので、ここでは割愛します。彼らが登場する舞台(演劇と人形劇)をいつかイタリアやフランスで見たいですねぇ。

今はピエロとアルルカンをモチーフにしたドランのこの絵で我慢。ピエロとアルルカンの既成のキャラクターが消えて、素顔が虚ろ...。弦のないマンドリンは音楽を奏でるはずもないのに、観客のいない荒れ地で二人は無表情なまま踊っています。青空と峰雲は、彼らの虚ろと彼らが踊る荒れ地を、否が応でも際立たせます。この作品を見た人によると、予想外に大きく、その点もぎょっとしたと言っていました。

音楽ではシェーンベルクの『月とピエロ』。昔、CBS Sony から出ていたと記憶しているのですが、自作自演シリーズがあって、そのバージョンが大好きです。あまりに音源が古くて、バリバリいう音が蓄音機で聴いているかのようなタイムスリップ効果(?)を産んでいました。

堀口大学の詩『月光とピエロ』はタイトルほど惹かれることはありませんでした。「ピエロの顔は真白け」というフレーズで必ず興醒めするんですよ...。オペラ『道化師』は複数の CD を持っているほど好きですが、リアリティーがあり過ぎて、幻燈館向きではありません。やはり、どこか浮世離れしてもらわないと(笑)。

ピエロやアルルカンのことは、無意識のうちに執着しているかも知れません。操り人形、探してみよう。