2012/08/06

お知らせ

2ヶ月前に随分無礼なメールを受け取った。ブログに療養中と書いてあるから私が病気であることは知っている。病気のことは訊かないから、自分の幸せな現状を報告するといった内容だった。彼女が元気そうで幸せなことは何よりだが、私に対してお大事にの一言もなく、あくまで彼女のテンション本位の一方的な態度に、些か唖然とせざるを得なかった。病気の人に「療養中のことはブログで知っているから敢えて訊きません」という文章をわざわざ本人に送るものなのだろうか。受け取ったときにどんな思いをするか分かっているのだろうか。気遣いという言葉を頻繁に口にする人ほど、案外、こんなことを平気でしてしまうのかも知れない。嫌な思いで2ヶ月が過ぎた。

ブログが引き金になったことは否めず、再開する気力を失ってしまいました。残念ですが、本日をもって終了させていただきます。有り難うございました。

2012/04/20

お知らせ

只今、療養中につき来月より週一程度のペースで更新しようと思います。定期的に見てくださっている方には申し訳ないのですが、よろしくお願いします。

2012/03/25

お知らせ

ちょっと忙しくなってしまいました。四月半ばより再開致しますのでよろしくお願い致します。今後、音楽と映画鑑賞(主に新作)の話題はフェースブックで、アンティーク・カードを始めとしたその他のトピックをブログで扱うことにしました。

それでは、みなさま、次回の更新まで愉 しくお過ごしくださいませ。

2012/02/26

魔法の小箱

目が覚めたら12時10分だった。港から正午きっかりに聞こえるはずの汽笛さえ知らなかった。参ったものだ。子どものころから睡眠障害気味であまりうまく眠りに着けない。深夜は一番頭の冴える時間だから起きていたい時間ではある。誘眠剤はあまり効かないし、睡眠薬は時として暗闇の底まで降下して行くような感覚に陥いるせいか、寝覚めが悪いし後悔することが多く、自力で眠るようにしている。

小学校低学年からラジオの深夜放送を聞いていたのもこれが理由だ。夜はとてつもなく長いトンネルで、布団の中で何も出来ないのは苦痛だった。これを救ってくれたのが Sony のトランジスタ・ラジオ。ラジオが布団の中で温まるころには、小さな硬いプラスチックが魔法の小箱に変わるように思えて、イヤホンを着けたラジオを胸に押し当てていろいろな映画の話しや音楽を聞いていた。

当時の私にとって、ラジオは今のインターネットのような役目をしてくれていたと思う。好きに音楽を選べるわけではないけど、知らない世界をたくさん垣間見せてくれた。ロックの扉を開けてくれて、サイレントから新しい映画まで幅広く観ていたのも深夜放送のおかげだったと思う。


愛用していた 2R-21、1965 年発売だそうだから、父は発売直後に購入したわけではなさそう。こういうメタル系ではなくて、フロントは赤、バックは黒のプラスチック製だったような気がする

父は母との不仲で冷たくなっていた家の中に新しいものを持ち込んでは、修復に努めようとした。この Sony の小さなトランジスタ・ラジオもそんなひとつだが、私の基礎を作ったなどとは父も認識できてなかっただろうなあ。

抗議という名のエンターテインメント

昨年の newsweek 誌の特集で「dying city(廃れつつある町)」として紹介されたミシガン州グランド・ラピッズが、公式に抗議するために制作したビデオです。素晴らしい出来で、繰り返し見てしまいました。


市民 5,000 人が参加し、撮影のために車の通行を止めるなど、大がかりな抗議行動なのですが、平和で静かな行動です。アメリカ人ならよく知っている Don McLean のヒット曲「American Pie」を口パクさせることで、多くを語りつつも、市民は無言の抗議行動をしていることになり、アイロニーは大いに感じられます。

The Grand Rapids LipDub
http://www.youtube.com/watch?v=ZPjjZCO67WI&sns=em

朝露や

今回ご紹介するカードは Au Bon Marché のトレード・カードです。惚れ惚れするような、石版印刷の繊細さが愉しめます。

ピンクを基調に白をアクセントにしたドレスを着た女の子が、水をためた樽の側で、花を愛でています。朝顔のような花をつけた蔓植物ですけど、何の種類かは特定できません。

二羽の鳥はかなり栄養状態に恵まれているようで(笑)、顔がまるで人のよう (^^;; 少女とは人の言葉で会話していそうで、メルヒェンと言えばメルヒェンかも知れません...。微妙な二羽です。


サーモン・ピンクとモス・グリーンが基調で、グレイを加えた濁りはあるけれど柔らかな色味で統一されています。そのせいか、ソフト・フォーカスの写真を彷彿させるような効果が出ているように思えます。朝露がおりて、植物の匂いが一層強まる時間帯を見ているような気がしました。

スマートフォンのカメラなので、繊細さがお伝えできないのがとっても残念...。霧がかった幻想を導き出すほど繊細な色調のトレード・カードは贅沢だなあと、感動した一枚なんです。

2012/02/25

教育テレビは偉大

映画『Pina』を観てきました。観客が少ない上に、途中退場の方、爆睡して鼾をかいている方々など、なかなか厳しい状況の場内でした(爆)。


無理して観に行く映画ではありませんが、ダンスが好きであればそこそこ楽しめるのではないかと思います。Pina へのトリビュートなので、そもそも Pina Bausch って誰?という状態だと、前述のような厳しい状況に陥りやすいかも知れません。また、トリビュートである以上、「Pina、あなたは天才だ」という片道路線です。

3Dを観るには劇場へ足を運ばなければならなかったけど、正直な気持ちは、教育テレビか Youtube で無料で観たかった(笑)。NHK の教育テレビはこういう番組、普通に放映しますものね。ダンスはすごく楽しめました。

2012/02/24

援護射撃~その弐~

続きです。二曲目の『I fought the Law』が圧巻。何曲目か忘れましたが、スカの『Wrong'em Boyo』は珍しく Joe Strummer のボーカルが好きになれました。しかし、スタミナ切れのないこのドラミング、凄いとしか言いようがありません。しかも、正確で、アドリブがたくさん出てくるから目眩くようなドラミング・トリップ(?)が楽しめますよ~。下手くそ三人衆をきちっとリードしてるしね(笑)。


何よりも素晴らしいのは、録り直しのきくスタジオでなく、ライブでレコーディング以上のことをやってること。

The Clash Live(1980)
http://www.youtube.com/watch?v=U0xYrppLVQM&sns=em

2012/02/20

援護射撃~その壱~

またもや、Topper ネタ。1980 年に Palais des Sports で行われた The Clash のライブです。Topper が活躍した1977~1982 年は、私はまだ中学生から大学に進学する頃で、来日してもどのみちライブには行けなかったと思います。1982 年の初来日の際は中毒がかなり進行してしまい、解雇される年ですから、演奏は褒められるような出来ではなかったとか。


このライブ映像では Topper のドラムが凄すぎて、フロントの三人が木偶の坊に見えてしまいます...。私自身、パンクに興味があったわけではなく、Tommy Gun という曲のドラムを聴いて、Topper が好きになっただけで、フロント三人衆に絶えず不満がありました。なにしろ下手だよ、あんたたち(笑)。


このライブ映像は Youtube で三分割されたものが投稿されています。これを観て驚いたのが、ドラムの勢いが全く落ちないことです。168cm で華奢な身体からは想像もつかないパワーです。もともとジャズ・ドラムを独学で身に付けていたそう。ロック・バンドのオーディションではパワー不足だと言われて落ち続け、人の演奏を観察し、工夫と練習を重ねた結果、ロックに敵うドラムになったのだとか。軽々と叩いているように見えますが、凄い力強さです。上半身が揺らがさず、演奏している姿に品があるのも特徴のひとつだと思います。ベースの Paul Simonon はアドリブがきかないので、ドラムがカバーしている感じです。

それでは、Topper のドラムをご堪能ください。


The Clash Live(1980)
http://www.youtube.com/watch?v=T9I2ss5gF9c&sns=em

憂鬱なあなた

今週末は、『ドラゴンタトゥの女』と『メランコリア』 を観てきました。家では Youtube でロック三昧。土曜は The Clash、日曜は Green Day。暇な大学生のような過ごし方です。

『ドラゴン~』の方は大した出来ではなく残念!リスベット役の Rooney Mara は熱演でしたし、Daniel Craig もまあまあだと思いましたが、原作にあるドロドロした血統のいやらしさ、リスベットの根にある哀しみが伝わってこないんですよ...。脚本に問題ありって気がする。二時間ちょっとで収めるのは無理な小説かも知れません。先々週は私も壊れていましたが、DVD プレーヤーも壊れました。新しいのを購入次第、スウェーデン版の『ドラゴン~』を観る予定です。


『メランコリア』は私にとっては大当たり。冒頭の映像美からして好み。映画中程の Kilsten Dunst のヌード・シーンは惑星との交わりとも言え、とても幻想的で一見の価値ありです。破滅の前の軋みや狂いは、終末を予め感知できる者の微熱のような症状なんでしょう。惑星と交わる頃には、大きなスケールを以て、自分の小ささを推し測り、決定的な事象を受け止められるようになるのかも知れません。

ストーリーが受け入れられなくても、映像だけでも大きなスクリーンで観てください。それだけの価値はあります!誉め言葉になってないけど。もう一度観に行こうと思っています。